不眠、寝不足によるイライラについて

寝不足気味の女性

普段からイライラした気持ちが治まらない。そんなイライラの原因が不眠、つまり寝不足にあると考えているあなた。

その発想は、半分は正解かもしれません。

今回の記事では、不眠とイライラのメカニズムについて詳しくご紹介していきます。

これらの状況があなたの症状に合致していると思ったら、あとにご紹介する、その改善策を一度試してみてください。

イライラとうまくサヨナラできるかもしれませんよ。

イライラと寝不足、元をたどれば原因は同じ!?

普段からどうしてもイライラしてしまう原因を、寝不足だと考えているあなた。

その考えは半分は正解、半分は不正解といったところでしょう。

というのも、イライラの原因は、厳密にいうと寝不足ではありません。

けれど、イライラと寝不足は、実はある一本の線でつながっている場合があるのです。

つまり、イライラと寝不足が同じ原因によるもの、というケース。

このケースにぴったりと当てはまっている人の場合、その人のカラダの中には、ある物質が不足している可能性が高いのです。

その物質というのは「セロトニン」という神経伝達物質です。

不眠、そしてイライラの原因となる神経伝達物資について

セロトニンというのは、神経伝達物質の一つです。

神経伝達物質のイメージ神経伝達物質というのは、その名の通り、意思決定や感情の揺れのような、主に私たちが日ごろ「心」と呼んでいる機能、そして、歩いたり走ったり、手を動かしたり触ったりといった、こちらは私たちが日ごろ「身体」と呼んでいる部分の行動、これらのものに神経細胞レベルで情報を伝達する物質のことです。

神経伝達物質の種類は、50種類以上あるといわれていますが、その中でもその働きが分かっているのはわずかに20種類ほど。

あとの30種類ほどの神経伝達物質は、その働きさえもまだまだ解明されていないのです。

人間のカラダというのは、それくらい、まだまだ分からなことがたくさんあるということですね。

それで、そんな神経伝達物質の中で、代表的なものが「三大神経伝達物質」と呼ばれていて、さっきから出てきているセロトニンはその中の一つ。

あとの二つはというと、それは「ノルアドレナリン」と「ドーパミン」です。

セロトニンの働きを理解するには、あとの二つ、ノルアドレナリンとドーパミンについても知っておく必要がありますので、ここではそれら三つをまとめて紹介しておきたいと思います。

ノルアドレナリン

別名「怒りのホルモン」とも称されるノルアドレナリンは、物事への意欲や興奮を司る神経伝達物質です。

つまり、ノルアドレナリンが分泌されるときというのは、何かに対して不安を抱いたときや、恐怖心を抱いたとき。または何かに対して怒りを覚えたときなどに分泌されます。

人間はこのノルアドレナリンがあるからこそ、恐怖を感じた時に「逃げる」という行動がとれるということになります。

人間も元をたどれば野生動物だったわけですから、もしこのノルアドレナリンという神経伝達物質が備わっていなければ、人間の祖先は、自分よりも大きくて強い野生動物に簡単につかまって食べられてしまって絶滅していたかもしれません。

ドーパミン

一転してドーパミンは「快楽」、つまり心地よさを司る神経伝達物質です。

何かに集中して一生懸命になったとき、人間はその苦しさを忘れて、逆に快楽を得るケースがあります。

苦しいマラソンのレース中に起こる「ランナーズハイ」や、水泳の金メダリスト北島康介さんの「ちょー気持ちいい」などはその一例でしょう。

さっきのノルアドレナリンは、人間は「恐怖心」を覚えることで、原始時代の過酷な環境を生きぬいてきたといいましたが、こちらのドーパミンはその反対。

つまり人間の祖先はその生存競争の中で、「快楽」を感じることで、集中力や学習能力を研ぎ澄ませ、生への執着をより深めていったと考えられます。

セロトニン

さて、次はいよいよセロトニンですが、セロトニンは別名「幸せホルモン」と呼ばれていて、精神の安定、心の安らぎに関わる神経伝達物質です。

セロトニンの特徴は、ノルアドレナリンやドーパミンのように、「怒り」や「快楽」といった特定の感情を抱いたときに分泌するというものではなく、ノルアドレナリンやドーパミンのバランスを保つという作用が大きな特徴となります。

 

不眠とイライラの関係が知りたいのに、三大神経伝達物資のレクチャーを長々と聞かされて、すでにウンザリしている方も多くいらっしゃるとは思いますが、本題はここからですのでもうしばらくお付き合いください。

 

この項目の最初の方で、イライラと寝不足は原因が同じであるケースがあって、その原因はセロトニンの不足によるものだと言いましたが、ここまで三大神経伝達物質の説明を聞いて、そのメカニズムもおおよそ見当がついたのではないでしょうか?

神経伝達物質セロトニンのイメージセロトニンというのは、ノルアドレナリンとドーパミンのバランスを保つ作用があると言いましたが、

では、仮にセロトニンが不足して、ノルアドレナリンとドーパミンのバランスが崩れてしまった場合はどうなるのでしょうか?

バランスが崩れるということは、どちらか一方がドバドバっと過剰に分泌してしまって暴走状態に入ります。

仮にそれがノルアドレナリンだとしたら、ノルアドレナリンは「怒りのホルモン」で、物事への意欲や興奮を司る神経伝達物質ですから、ちょっとしたことで怒りやすく、些細なことでも興奮マックス状態になってしまうのです。

怒りっぽくてイライラしていて、些細なことでもキレやすい。

これが、ノルアドレナリンの分泌過剰によって引き起こされる主な症状です。

また、本題からはそれてしまいますが、ノルアドレナリンとドーパミンのバランスの崩れは、なにもノルアドレナリンの過剰分泌だけではありません。

次のような症状にも注意が必要です。

ノルアドレナリン不足

注意力、判断力の低下、無気力無関心、うつ など

ドーパミン過剰

お酒、賭け事、買い物などへの依存症 など

ドーパミン不足

集中力、モチベーションの低下、やる気が出ない など

 

またセロトニンは、睡眠ホルモンと呼ばれる「メラトニン」を作る材料にもなっています。

 メラトニン

カラダを安らかにして、心とカラダを睡眠へと導いてくれます。

通常就寝時間のおよそ1~2時間前から徐々に分泌されはじめます。

セロトニンが不足すれば、メラトニンの分泌にも影響が出てしまい、そうなると当然、不眠、寝不足を招いてしまうことになります。

 

このように、セロトニンの不足は、不眠やイライラ以外にも、心やカラダのさまざまな場所で、いろんな不調を起こしてしまう要因を作ってしまいます。

では、そんなセロトニンの不足はどういったことが原因になっているのでしょうか?

セロトニンが不足する原因とは?

カラダの中からセロトニンが不足してしまう原因は細かなもにも含めると多々あるのですが、一般的には次の三つが主な原因と考えられています。

ストレス

短期間ではなく長期間に及ぶストレスは、セロトニンの脳内分泌を抑え込んでしまうということが分かってきています。

また、セロトニンが不足することでストレスが溜まりやすいカラダの環境を作ってしまいますので、まさにこれが悪循環となって、セロトニンの不足が加速していってしまいます。

運動不足

運動不足でセロトニンが減ってしまうというよりも、運動がセロトニンの分泌を促すと考えた方がいいでしょう。

セロトニン分泌を効果的に促がす運動としては、リズム運動があります。

リズム運動といっても、それは同じテンポを繰り返すような運動。たとえばスロージョギングなどもこのリズム運動の中に入りますし、ウォーキング、サイクリング、水泳、社交ダンスなどでもOKです。

偏った食生活

セロトニンは、トリプトファンという必須アミノ酸から合成されるのですが、その合成を効率的にするためには、炭水化物やビタミンB6、鉄分などのサポートが必要になってきます。

好き嫌いが多く、偏った食生活をしていると、これらの栄養素を十分に摂取することができなくなり、セロトニンを作るにも、材料がなくて作れないという事態におちいってしまいます。

 トリプトファンを多く含む食品

乳製品、豆類、バナナ など

 ビタミンB6を多く含む食品

サーロインステーキ、かつお、まぐろ、牛レバー、さんま、バナナ、にんにく など

なお、ビタミンB群の栄養素は、お互いを補い合って作用しますので、ビタミンB6が欲しいときには、その他のビタミンB1、B2、B12の入った食品をバランスよく摂取する必要があります。

詳しくはコチラ ⇒ 生理前にビタミンB6を含む食品を食べると良い理由

 

 鉄分を多く含む食品

レバー(牛・豚・鶏)、カツオ、マグロ、牡蠣、ほうれん草、 など

 

炭水化物は言うまでもなく、ご飯、パン、ラーメンなどの主食やイモ類、根菜類に多く含まれています。

セロトニンを増やす生活習慣

セロトニンを増やす生活習慣は、先に挙げたセロトニンが不足する生活習慣を改善すればいいということになります。

ただ、ストレスだけは自分の意志ではどうすることもできませんので、あまり深く考え込まずに、適度な運動と気分転換で対処する他ありません。

ただ、セロトニンを増やす生活習慣を身に着ければ、セロトニンはストレスによって生じるマイナスの感情をうまくコントロールしてくれますので、

セロトニンが増える → ストレスが軽減する

という好循環を生み出してくれる可能性もあるのです。

最後にもうひとつ、セロトニン生成にとって大切な生活習慣は、「朝の運動」です。

朝日を浴びるという行動は、脳内のセロトニンを増やす効果が期待されるだけではなく、少し前にご紹介した、睡眠ホルモンの「メラトニン」とのバランスをとる上でも大切な生活習慣になります。

また、朝日をあびるついでに、30分程度の軽いウォーキングをこなしてしまえば、セロトニン生成にとっては一石二鳥の生活習慣になることでしょう。