生理前の ”バナナ” 、その隠された効果とは?

生理前にぜひ食べておきたいバナナ

生理前に口にしたい食品で、豆乳に次いで人気があるのがバナナでしょう。

バナナは便秘にもいいとされていて、しかも最近では「バナナ豆乳ダイエット」なるものまで登場して、バナナ人気は一層ヒートアップしてきています。

確かにバナナは低カロリーで腹持ちも良く、大変栄養価に優れた果物ですが、実はそんなバナナにはもう一つ、生理前にぜひとも食べておきたい理由があったんです。

今回はそんなバナナの隠れた一面をひも解いてみます。

生理前にバナナを食べる本当の理由は “トリプトファン”?

豆乳と同様に、生理前に摂取することで、生理前の不調が緩和されるといわれているバナナ。

けれどバナナには豆乳に入っているイソフラボンのような、女性ホルモンと関係がある栄養素が入っているわけではありません。

では、バナナはどのような理由から生理前の諸症状に効果があるといわれているのでしょう?

その秘密はバナナに多く含まれている “トリプトファン” という物質と関係があるようです。

私たちの日常生活の中ではあまりなじみのない “トリプトファン” という言葉。

けれどこのトリプトファンという物質は、私たちの日常生活、とくに私たちの健康とは切っても切りはなせない大変重要な役割を果たしてくれているんです。

まず、私たちは日ごろ、どのようにしてトリプトファンを摂取しているのでしょう?

バナナに多く含まれているトリプトファンですが、バナナをそうそう毎日食べている人って、よっぽどバナナが好きな人か、バナナダイエットをしている人?

それ以外の人で、バナナを毎日食べてる人って、やっぱり少ないと思います。

バナナが大好物なおさるさんでは私たちは、トリプトファンはどこから摂取しているのか?

実は、トリプトファンは、大豆や納豆、豆腐などの大豆製品、それに牛のレバー、かつお、まぐろ、ナチュラルチーズ、牛乳、ヨーグルト、白米、そばなど、たんぱく質を含む食品に多く含まれている物質なんです。

なので、好き嫌いなどの偏食のある人や、極端なカロリーダイエットをしている人でなければ、トリプトファンって不足することはあまりない物質だといえるのです。

ではなぜ、トリプトファンの摂取にバナナがクローズアップされているのでしょうか?

それは、バナナに比較的多く含まれるビタミンB6という栄養素がセロトニンの合成をサポートするということが分かっているからなのです。

ここでまた新しく出てきました “セロトニン” という言葉、実はこのセロトニンこそが、トリプトファンを摂取しなければならない最大の理由でもあるのです。

分かりやすくいえば、カラダの中でセロトニンという物質を作り出すために、トリプトファンの入った食物を食べる。

つまりトリプトファンは、セロトニンという物質を作る材料になるということ。

そしてバナナは、カラダの中で、トリプトファンを材料にしてセロトニンを作る過程で、セロトニン作りを強力にサポートしてくれる、ビタミンB6という栄養素も一緒に摂取することができるので、セロトニンが欲しいなら、とりあえずバナナを食べるのがとっても効率的だということなのです。

では、セロトニンという物質が、私たちのカラダにどれだけ大切なものなのか?

次は、生理前の不調にバナナを食べることの意味の核心部分、セロトニンについて詳しく見ていくことにします。

不足すると大変なことになる “セロトニン” という神経伝達物質

セロトニンというのは、私たちのカラダの中で大変重要な役割を果たしてくれている神経伝達物質の一つです。

神経伝達物質というのは、私たちの喜怒哀楽などの感情や、食欲、睡眠欲などといった自然に出る欲求、こうした感情や欲求などをを記憶や運動機能に伝達する役割を果たす物質のことを言います。

神経伝達物質にはセロトニンの他にも、ドーパミンノルアドレナリンなどさまざまなものがあり、それらが複雑に絡み合って私たちの脳の機能をコントロールしているのです。

神経伝達物質のイメージこれら脳内メカニズムの話は大変複雑で正直言って分かりにくいものなのですが、ここではセロトニンの主な働きについて簡単に説明してみたいと思います。

セロトニンは、先ほども触れたドーパミンとノルアドレナリン、これら3つを合わせて、『三大神経伝達物質』と言われています。

そして、このドーパミンとノルアドレナリンの働きを理解することで、セロトニンの働きも分かりやすくなってきます。

ドーパミン

こちらはセロトニンと比べて、まだ聞き覚えのある言葉かもしれません。

ドーパミンは、私たち人間が褒められたときや好きなことに集中して脳内に快楽を得ている状態のときに分泌されるとことから “快楽物質” などという言われ方もします。

よくマラソンなどで “ランナーズハイ” といわれる現象が起こることがあります。過酷なマラソンという競技の途中でも、全く苦しさを感じずに走ることができる状態をそう言うのですが、そのような状態ではドーパミンが多く分泌されていると考えられています。

すなわち人間は、ドーパミンの分泌によって運動能力を高めているということができるのです。

ノルアドレナリン

ドーパミンが『快楽』に関係するなら、ノルアドレナリンは『脅威』に関係するということになります。

ドーパミンが快楽によって分泌されるのに対して、ノルアドレナリンは人間が何かに対して脅威、または驚き、危険を感じたときに分泌される、いわば危険察知物質ということができるでしょう。

そして私たち人間は、ノルアドレナリンが分泌されることによって感情の昂ぶりを生み出すことになります。

緊張した状態の心臓がバクバクする感覚などは、まさにノルアドレナリンが分泌されている状態ということができます。

そしてここからが、セロトニンの働きについてです。

セロトニン

セロトニンにはなんと、先ほどご説明したドーパミンやノルアドレナリンの暴走を抑える働き、すなわち、ドーパミンやノルアドレナリンのバランスを整える働きがあるのです。

セロトニンが不足して、ドーパミンとノルアドレナリンのバランスが崩れてしまうと、不安な気持ちになって落ち込むことが多くなったり、夜の寝つきが悪くなったり、イライラした状態が続いてしまうような状態に陥ってしまうことになるのです。

セロトニンは別名『幸せホルモン』と呼ばれることもあり、セロトニンが十分に足りていると、脳がしっかりと活性化されて、精神状態のバランスも安定してくるようです。

セロトニンは男性よりも女性の方が不足気味になりやすいと言われています。

その理由はやはり、月経周期と女性ホルモンの増減が少なからず影響していると考えられています。

 

このような理由から、セロトニンを作る材料となるトリプトファンや、セロトニンを作る過程で必要となるビタミンB6が多く含まれているバナナの摂取が、生理前の諸症状、とりわけイライラや落ち込みなど、精神的な心の症状に有効であると考えられているわけです。